閲覧注意!?クリーチャー化する羊のアニメーション「Baaa」
イギリスのアニメーターCyriakの作品の中から有名なものを紹介します。「Baaa」とは英語圏での羊の鳴き声。動画には音楽に合わせて草原を走る羊の姿が映されています。ただ、この羊が分裂・増殖を繰り返してトランスフォームしていきます。体を構成しているパーツは全て羊なのに、その組み合わせ方次第で羊とは似ても似つかぬおぞましい姿に。映像が進むにつれてカオス度が上がっていき、最終的に不気味なクリーチャーになります。内容はシュールかつ意味不明で、初めて見た時には作者は何を考えてこの作品を作ったのか理解に苦しみました。
トランスフォームする羊の姿はグロテスクかつ悪趣味。「Baaa」は検索してはいけない言葉にもなっているほどです。
ただ妙な中毒性があり、不思議と心に残るんですよね。気が付くと何度も見てしまい、いつのまにかこのキモさが癖になってしまいました。
ドラえもんがポケットから出したのはxxx!?「ドラッグえもん」
いつものようにのび太がドラえもんに泣きついて道具をねだる展開から始まります。ただ、ドラえもんがだしたのは未来の道具でなく…
ドラえもんのだした「葉っぱ」を吸って、足が石のようになったり食べ物がおいしく感じたり。トリップ状態の描写がガチすぎるw。ニコニコでも「分かっている」人たちからのツッコミやあるあるが多く、コメント欄を見ながら見ると2倍楽しめます。
なにより面白いのは一部切り貼りはしているものの、のび太たちのセリフがアニメそのままなところ。よくこの場面にぴったりの言葉を見つけてきたなと制作者さんに感心します。
ちなみに私が一番ヤバいと思う原作のひみつ道具は「ヘソリンガス」。ほぼ覚せい剤のメタファーになっていますw。
子供に見せてはダメゼッタイ!? トラウマ生成機「ピンクの象」
ディズニー映画といえば子供向け、ファミリー向け作品で過激な描写は少ないと思っている人もいるでしょう。しかし、今回紹介するダンボのワンシーンを見ればその考えは変わるでしょう。
お酒に酔ったダンボがピンクの象の幻覚を見るシーンです。もともと英語圏では酔っぱらったことを表す表現として「Seeing pink elephant(ピンクの象が見える)」という言葉があり、このピンクの象はそこから来ているのでしょう。
内容は支離滅裂で意味不明。象たちが蛇のようになったかと思えば社交ダンスを始めたり、ラクダのようになったりと、夢を見ているようにとりとめもなく移り変わります。決して愉快な表現ばかりというわけではなく、狂気や異常性を感じるシーンも多いです。軽い気持ちで子供に見せるとトラウマになること必至。目が真っ黒な象の顔が画面いっぱいに迫ってくる場面はかなりの恐怖です。
ディズニーとサイケデリックの関係は深く、ミッキーマウスはウォルト・ディズニーがLSDを使った際に見た幻覚がもとになっている、なんて逸話もあるくらいです。特に初期の作品はドラッグによる共感覚表現を隠すことなく見せていて面白いですね。
シャーマニックな極彩色の万華鏡「Flashback」
ダニーゴメス制作のフラッシュアニメーション。
一匹の蠅が精神病院の一室へ入る。そこでは患者(ゴメス)が医師(アルバート・ホフマン:LSDの発明者)へ幻覚症状を訴えていた。医師はシャーマン的な新しい治療法を試みる。
患者がトランス状態に入ってからの映像がぶっ飛んでます。
万華鏡のように目まぐるしく移り変わるサイケデリックな模様の中に、化け物、動物、あるいは中南米の神様のようなモチーフが現れては消え、消えてはまた別の姿となって表れる。あふれ出るイメージの奔流はただただ美しく、神々しささえ感じられます。
また、音楽も素晴らしいです。民族楽器を使った再帰的なフレーズがいくつも重なって一つのメロディをつくっており、どのフレーズに意識を持っていくかで何度聴いても新たな発見があります。
この曲名は「Divine Moments of Truth」。略すとDMT(ジメチルトリプタミン;幻覚剤の名前)。明らかに確信犯ですね(笑)。
ご挨拶
浮遊感。酩酊感。陶酔感。
怖いような、ワクワクするような、喜怒哀楽のどれとも違う不思議な感情。
当たり前だと思っていたことが当たり前に思えなくなる奇妙な感覚。
ひとつのことに集中して自分という存在が意識から完全に消え去った瞬間。
物心ついたときからこんな状態にさせてくれる音楽や映像に強く惹かれていました。
インターネット黎明期にはこれらの情報を取り扱っているサイトがいくつもあって、頭の中をかき混ぜられるような音楽や不思議な世界観の映像に酔いしれていました。
しかし、インターネットが一般人にも普及した為か、サイトの管理人が仕事や家庭で忙しくなった為か、今ではこれらのサイトの大多数が消されていたり活動を停止してしまいました。時代の流れもあり仕方がないのかもしれませんが、昔楽しんだ思い出の場所が無くなるのは寂しいものです。
そこで考えました。なければ創造(つく)ればいいんだ。
そんなわけでサイケデリック・ドラッギー・不思議なジャンルの作品を紹介していきます。その界隈では知っていて当然の有名なものから、誰も知らないようなマニアックなものまで幅広く取り扱っていきたいと思います。「これは違うんじゃないの?」というものもあるかもしれませんが、あくまで管理人の好みということでご容赦下さい。