狂気・幻想・サイケデリック

一見不可解だけれど、どこか心惹かれるサイケデリック作品のレビュー

子供に見せてはダメゼッタイ!? トラウマ生成機「ピンクの象」

ディズニー映画といえば子供向け、ファミリー向け作品で過激な描写は少ないと思っている人もいるでしょう。しかし、今回紹介するダンボのワンシーンを見ればその考えは変わるでしょう。

 

お酒に酔ったダンボがピンクの象の幻覚を見るシーンです。もともと英語圏では酔っぱらったことを表す表現として「Seeing pink elephant(ピンクの象が見える)」という言葉があり、このピンクの象はそこから来ているのでしょう。

内容は支離滅裂で意味不明。象たちが蛇のようになったかと思えば社交ダンスを始めたり、ラクダのようになったりと、夢を見ているようにとりとめもなく移り変わります。決して愉快な表現ばかりというわけではなく、狂気や異常性を感じるシーンも多いです。軽い気持ちで子供に見せるとトラウマになること必至。目が真っ黒な象の顔が画面いっぱいに迫ってくる場面はかなりの恐怖です。

 

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ディズニーとサイケデリックの関係は深く、ミッキーマウスウォルト・ディズニーLSDを使った際に見た幻覚がもとになっている、なんて逸話もあるくらいです。特に初期の作品はドラッグによる共感覚表現を隠すことなく見せていて面白いですね。